2011年12月
京都市内某解体工事を着工しました。
この工事は木造家屋(2階建て)と鉄筋コンクリート造(6階建て+棟屋+地下1階)の
解体工事で、京都市内の中心部ということもあり、狭小敷地での解体工事でした。
敷地いっぱいに建物が建っているため、重機の稼働スペースが全くなく、しかも、建物
の高さが高いため、解体には大型重機がどうしても必要でした。
そのため、まずは人力と小型重機で木造家屋を解体し、大型重機の作業スペースを確保
してから鉄筋コンクリート造の建屋の解体を行いました。
このような敷地いっぱいに建物を解体することが京都市内に限らず、都市部の中心地では
よくあります。
しかし、京都市内の場合は少し他の都市と違い、ある特徴があります。
それは「町屋」の名残です。
みなさんは「町屋」と聞くと一文字瓦、虫籠窓、格子戸、うなぎの寝床のような細長い
敷地、などを想像されると思います。
この「マチヤ」という呼び方は平安時代末期の書物に既に登場しますが、現在の町家の
原形が確立されたのは、江戸時代中期のことのようです。
現在でも昔ながらの「町屋」は残っていますが、大半の建物は大きなビルに変わって
しまいました。
しかし、見た目は大きなビルやマンションだけど敷地は「町屋」の名残が残っていて
間口が狭く奥行きが広い建物が多くあります。
京都で建設工事に携わっていると、この「町屋」を実感すること多々があります。
皆さんも京都を訪れる際は、神社仏閣だけでなく普通の街並みにも目を向けてみては
どうでしょうか?