2012年6月
大阪市菅原町計画に着手しました。
この現場は大阪市内中心部に位置し、大通りに隣接して建てられています。
着工前の計画を行う際に、解体する建物も、隣地建物も敷地いっぱいに建てられている為、大型重機での解体は不可能だと判断し、小型重機を階上に揚重し、上階より順に解体を行っていく方法を選択しました。
しかし、外見上は鉄骨造で外壁がALCで出来ているありふれた構造の建物のようですが、現地で内部から構造を確認した際、本来ならデッキスラブで出来ている床も外壁と同じALCで出来ているという事が判明しました。
もし、ALCの床に重機を揚重すると、床が抜け、大惨事になりかねないと判断し、安全を最優先して小型重機を揚重して解体する方法も断念しました。
この時点で重機による解体が作業員と周囲の安全確保が難しくなり、人力での解体が決まりました。
ただ、床のALCや鉄骨の解体は人力にて行うことが出来ますが、階上で解体した廃材を降ろす方法がありません。
そこで、社内で検討した結果、次のような方法が考えられました。
①EVシャフト等を利用して1階まで投下する。
②道路上にレッカー車を設置し、廃材を吊降ろす。
③タワークレーンを建物内部に設置して建物を建てる方法と逆の方法で解体する。
①は騒音や振動、作業員の危険性を考慮すると現実的ではないと判断し、②は長期期間にわたり道路を一部封鎖しするのは交通安全上、道路使用許可上も不可能だと判断しました。
その結果、③の方法が作業員の安全、周囲の安全、作業効率等を考慮するともっとも良いと判断しました。
【レッカーにてタワークレーンの組立状況】
【タワークレーン設置状況】
【養生足場の設置状況】
足場の設置が完了次第、建物の解体が本格的に始まります。
慎重に作業員と周囲の安全性を最優先に作業を行っていきます。